中国茶6大分類
中国茶は製法により6つに分類されており、
1.黒茶
2.緑茶
3.紅茶
4.白茶
5.黄茶
6.烏龍茶
に分けられます。
どのようにして分類しているかというと
「作り方」
この一言です。いろんなところで発酵度とかなんとか言っているところはありますがこれは間違いです。
また、この発酵度という言葉が一人歩きし「お茶は微生物による発酵食品である」などと間違った情報が時たまSNS等で流れることがありますがお茶の発酵と微生物発酵は大きく違います。
お茶の発酵は茶葉の中に存在する酵素が揉まれたりすることによって茶葉の中の他の成分と反応することを言います。化学的に言うと酸化に近い反応です。酵素は熱で失活するため(殺青)この工程をどこに挟むかでどれだけ発酵が進んでいるかが大きく違ったりします。
そのため、過去は発酵度で分類していた時期もあったみたいです
ただ、例外的に黒茶の一部には微生物による発酵をしているお茶もあります。そのため、区別して「後発酵」などと言ったりします。
話を戻すと、お茶は作り方によって6種類に分類することができます。
なぜ発酵度ではないのかというと、例えばダージリンなどは作り方が紅茶でも発酵を完全にしない、など発酵度だけでは説明が付かないお茶が出てくるからです。発酵を完全にしないダージリンは烏龍茶なのか?と言われるとこれは違います。
また、国際標準(ISO)にはお茶の種類は全て作り方で決まる。としっかりと記載されています。
以上のことより、まずお茶は作り方により分類されると言うことを覚えておくと良いです。
黒茶
当店メインの黒茶。
作り方は、殺青→揉捻→渥堆→乾燥
プーアル茶もここに含まれます。
基本的には緑茶と同じ工程なのですが渥堆と言う工程がある事が大きな特徴です。
簡単に言うと緑茶を微生物による発酵で味を変化させます。
プーアル茶の他にもあるのですがここではプーアル茶のことについて。
かなり長くなるので別ページに詳しく解説は置くとして
簡単に分類すると
晒青緑茶を餅状に固めただけの生茶
晒青緑茶を熱を加え、水と微生物で強制的に発酵させた熟茶
があります。
固めるには水蒸気で柔らかくした後に布で包んでプレスして固める。
この工程も渥堆にふくめるとしてプーアル茶は黒茶になります。
ここで「あれ?散茶のプーアル生茶もあったよね?」という疑問もありますが散茶は厳密にはプーアル茶ではなくそのままの晒青緑茶。つまり緑茶です。
プーアル茶ではないため、当店では晒青緑茶と区別しています。
緑茶
緑茶は日本茶では主流であり実は中国でもほとんどが緑茶です。
作り方は
殺青→揉捻→乾燥
と3ステップになります。
基本的には発酵(酵素による成分変化)が全くしておらず色も緑色であることが多いです。
雲南省ではプーアル茶にする前の緑茶は「晒青緑茶」と言われます。
殺青の際の温度が80℃前後で完全に酵素が失活しません。しかし、その後の乾燥の際に日光に当てて乾燥させるためそこでも酵素の失活が行われます。
このような独特の製法のため雲南省の晒青緑茶は酵素が完全に失活しないため陳年により少しずつ発酵が行われ風味が変化していきます。
紅茶
日本でもなじみがある紅茶。
製法は萎凋→揉捻(揉切)→発酵→乾燥
ここでは雲南の紅茶について。
雲南の紅茶には大きく分けて
滇紅と晒紅があります。
乾燥工程に違いがあり、滇紅は熱風で乾燥。(往来の紅茶と同じ作り方)
晒紅は日光により乾燥。
滇紅は完全に酵素が失活しますが、晒紅は晒青緑茶と似たような工程で作られるため酵素が完全に失活しません。
そのため、できたてよりも数年おくことにより熟成が進み味がまろやかになります。
近年はどこの産地でも紅茶が作られ、樹齢が数百年の木の単株紅茶などもあります。以前は紅茶の値段はプーアル茶より安かったのですが、近年はほとんど同じ値段になっています。
白茶
白茶は日本ではあまりなじみがないでしょうか?
作り方がいちばんシンプルな方法であり
萎凋→乾燥
の2ステップしかありません。
そこで多くの人々が誤解は「作るの簡単じゃん!」というものです。
しかし、製法がシンプルと言うことはそれだけ作り手の技術が問われると言うことです。
萎凋は基本的には放置のため、風通しや時間など経験に基づく極めて微妙な判断が要求されます。
そのため、作り手によってもずいぶん変わるし、原料によってもずいぶん変わります。
また、酵素の失活が不完全なため作りたては青臭い感じがして店主はあまり好きではありません。。
しかし、熟成させることにより青臭さがなくなり甘みが強くなっていきます。
近年は雲南省でも雲南大葉種で白茶を作ることがトレンドになっています。
烏龍茶
烏龍茶は日本ではいちばんなじみのある中国茶かと思います。
製法は萎凋→做青→殺青→揉捻です
しかし中国本土ではあまり作られておらず、福建省の武夷山で作られる武夷岩茶と広東省の鳳凰山(烏崠山が代表)で作られる鳳凰単叢が有名です。
当店での取り扱いはほとんど無いため割愛します。
黄茶
黄茶も日本ではあまりなじみが無いと思われます。
製法は殺青→揉捻→悶黄→乾燥
です。
緑茶の工程の間に悶黄と言う特殊な工程が入っています。
要は微生物により少し発酵させるのですが当店では扱いがないため割愛します。
まとめ
まずは、この6大分類をしっかりと覚えておくとお茶屋さんなどで色々と話ができると思います。
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